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短編小説『学生と専業主婦の多い教習所』 - 元赤軍派
2025/04/04 (Fri) 01:38:19
短編小説『学生と専業主婦の多い教習所』
日本やアメリカ、フランスなど真面な西側先進国は、法の支配を逸脱するILOハラスメント禁止条約を未だ批准していない。
「セク・ハラ」や「パワ・ハラ」は時効や構成要件が極めて曖昧であり、告知・聴聞の機会や罰則も事業主の恣意的裁量に丸投げされ、労働者でない女性(例えば学生や専業主婦)が蒙る同じような被害は救済対象でないことなど、法の支配を著しく逸脱する希代の悪法だからだ。
横浜のベッド・タウン、新興住宅地にある この自動車教習所は学生や専業主婦が多かった。
教官の牛山守は金沢区にある大学の工学部で同級生からオルグを受け赤軍派のサークルに参加。卒業後は自動車整備工場で働いたり、タクシーの運転手などを経て、たまたま見つけた求人に応募して教習所の教官になった。
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そこは元赤軍派(京浜安保共闘革命左派)の教官が結構いる教習所だったので牛山にとって居心地の良い職場だった。
この左翼系教習所はパワハラ・フリー、セクハラ・フリーを前面に打ち出して教官の求人を行っていたので車好きの左巻き女が多数応募して来る職場でもあった。
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学生や専業主婦の多い この教習所で牛山守は、特に有閑マダムの専業主婦が元赤軍派の教官達の目の敵にされていることに大いに目を見張らされた。
セク・ハラやパワ・ハラは飽くまでも女性労働者を守るスローガンであって、専業主婦や女子大生は保護対象外であった。
夏ともなると教習生の専業主婦や女子大生は露出の多い服装で来ることが多かったので、牛山は胸ポケットのボール・ペンやダッシュ・ボードの上やオートマチックのギヤ周辺に設置した消臭剤の容器に仕組んだ隠しカメラで盗撮し放題であった。
赤軍派の理論に従えば、ブルジョア階級を倒すための盗聴、盗撮、輪姦、拷問、強制労働、武力闘争(テロ)は合法だった。
労働者でない専業主婦や女子大生をパワ・ハラから守る“事業主”は存在しないので、牛山は これらの教習生を怒鳴り散らし威嚇して『鬼教官』の名を欲しいままにしつつ、時折やさしい声をかける典型的なマインド・コントロールのテクニックを駆使して教習生を意の侭に操り、彼女等の肩に腕を回し、また足腰を無遠慮に掴んで坂道発進や車庫入れの指導を行ったが、それを同じ元赤軍派の教習所長も黙認していた。
「おい 君は女子大生だな? そんな風に前屈みになってハンドルにしがみ付いてちゃ左右やバック・ミラーが見えんじゃないか! 駄目だ駄目だ! 今日の単位は与えんぞ!」
牛山は女子大生を叱り飛ばしながら胸を鷲掴みしてハンドルから女子大生の上半身を引き離した。
「何するんですか セク・ハラですよ!」
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女子大生が眉を吊り上げる。
「うるさい コラ! そんな運転で横から飛び出して来る歩行者に気づかず事故を起こしてみろ。 セク・ハラもムカっ腹もあるもんか! 道に横たわるオマエの撥ねた歩行者を速やかに救護しなけりゃいかんのだぞ! 場合によっちゃあ オマエの車に乗せて病院まで急行せなあかん!」
「それは分かってます」
「分かってますだと? 自分より体重の重い男性をオマエは責任を持って救護できるのか? それじゃあ今から俺が轢かれた歩行者になってやるから救護してみろ!」
「ちょっ、 救護の実習なんて教習プログラムに無いでしょ! 職権濫用、それか教習生に対する立派なパワ・ハラじゃないですか!」
「パワ・ハラだと? まだ労働者でもないピヨピヨ反革ブルジョア女子大生のくせに舐めた口を叩くな コラ!」
そう言い放って牛山守は女子大生教習生の頭を小突いた。
「暴行罪で訴えますよ!」
「そうやってオマエは、実際に事故を起こした時も、酔っ払いだとか自分の意に染まない相手だと自分の轢いた歩行者を救護せず、食ってかかる積もりか?」
牛山守が女子大生の胸を鷲掴みし、ミニスカートの中に手を入れつつ唇を強引に奪う。
「ううっ」
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「オマエの轢いた相手が酔っ払いだと 救護中に こんなことをされるかもしれん。 それでも轢いてしまった歩行者は救護せなあかんのだ! よく覚えとけ コラ!」
「今の遣り取りを全てスマホに録音しました。 警察に被害届を出します!」
「救護の実演指導している教官に向かって反抗的態度を取るのか コラ! スマホを出せ!」
「嫌です!」
「じゃあ こうしてやる!」
牛山守は女子大生の下着の中に手を入れ、クリトリスを指で撫で回す。
「うっ… や・め・て…」
「早くスマホを出せ!」
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女子大生が観念してトートバッグの中からスマホを差し出す。牛山守は尚も女子大生のクリトリスから指を離そうとしない。
「録音を止めろ!」
「本当は録音なんてしてません…」
「コラ! 女子大の反革ブルジョア女め、労働者階級を舐めおって! 許さんぞ!」
牛山守は女子大生の膣の中に指を差し入れ、唇を奪って口の中を舌で掻き回す。
「ううっ」
「世の中を舐めてんじゃねえぞ! この世の中は俺達プロレタリア階級のもんだ。 オマエみたいな甘ったれた女子大の反革ブルジョア女なんか、セク・ハラされてもパワ・ハラされても黙って耐えるしかねんだ。 反革ブルジョア分子なんて誰も守ってくりゃせん! 我々 赤軍派はな、武闘派って呼ばれてたんだ。 オマエみたいな反革ブルジョア女の1人や2人 ここで犯しても誰も咎めやせんのだよ。 よく覚えとけ!」
「猥褻罪で警察に通報します!」
「よど号ハイジャックやロッド空港 無差別テロをやってのけた元赤軍派の俺が反革ブルジョアの刑法なんかに素直に従うとでも思ってんのか?」
「SNSで ここで起きたことを全て暴露します!」
「ダッシュ・ボードの上の消臭剤と俺の胸ポケットのボール・ペンに隠しカメラを仕込んであんだ。 SNS投稿なんかしてみろ。 赤軍派はなあ 資本主義ブルジョア経済を倒すためなら盗聴、盗撮、輪姦、テロも厭わないぞ。 オマエの卑猥な画像をネット上に曝しても良いのか?」
「それだけは許して、御願い!」
「よし! 今日のことは さっぱり忘れて、また明日だ。必ず同じ時間に教習を予約しとけ。 いいな!」
「はい 分かりました。」
教習車を降りると、女子大生の目には西日が涙で滲んで見えた。